PCR Inhibitor CleanUp Kit
PCR阻害物除去カラム
核酸抽出/精製
品名 |
Code No. |
包装単位 |
価格 |
備考 |
PCR Inhibitor CleanUp Kit |
315-09461 |
50回用 |
27,000円 |
|
製造元 (株)ニッポンジーン
表示価格は希望納入価格 (税別) です。
製品説明
PCR Inhibitor CleanUp Kitは、PCRや逆転写反応(RT-PCR)などの核酸増幅反応を阻害する物質を、核酸溶液から効率的に除去するためのキットです。
本品は、AC Slurry とFilter Columnから構成され、AC Slurryに含まれる活性炭や親水性ポリマーにより、核酸溶液に含まれる腐植物質(フミン酸)、ポリフェノール、タンニン、メラニン、多糖類、色素などのPCR阻害物質を吸着して除去することができます。カラムにAC Slurryを充てんし、核酸溶液を添加して遠心するだけの簡単な操作で、PCRやRT-PCRなどのアプリケーションに使用できます。
特長
・ 約10分間の簡単操作
・ 精製した核酸溶液はそのままPCRや逆転写反応の鋳型に使用可能
・ 酵素反応を阻害するフミン酸、ポリフェノール、タンニン、メラニン、多糖類、色素などを除去
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製品内容
PCR Inhibitor CleanUp Kit (Code No. 315-09461 )
構成品 |
容量 |
保存 |
備考 |
AC Slurry |
50 mL |
室温 |
AC Slurry は、活性炭と親水性ポリマーを含むスラリー(懸濁液)です。 |
Filter Column |
50 本 |
室温 |
Filter Column は、本キット専用カラムとコレクションチューブからなります。 |
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使用例
操作手順
- AC Slurryのボトルを10秒以上転倒混和してよく分散させる。
ボルテックスミキサーを使用するよりもよく混合できます。
ボトルは必ず上下に転倒混和し、ボトルの底に充てん剤が残っていないことを確認してください。よく分散させたら、沈降が始まる前(2分以内)に次のステップに進んでください。
- AC Slurry 850 µlを広径ピペットチップでFilter Columnに添加する。
内口径φ1.5 mm未満のピペットチップを使用した場合、チップ内で目詰まりする可能性があります。AC Slurryがよく混合された状態を保持するため、添加後直ちに次のステップで遠心を行ってください。
- 遠心(8,000 x g、3分間、室温)し、ろ液は捨てる。
遠心後、充てん剤の層がカラム内に形成されます(充てん済みカラム)。白色の粉末が混ざっているように見える場合もありますが、使用には問題ありません。
- 充てん済みカラムを新しい1.5 mlマイクロチューブの上に移す。
- 核酸溶液 50-200 µl をカラムに添加する。
- 蓋を閉め、室温で1分間静置する。
すぐに遠心しないで1分間(~3分間)静置してください。
- 遠心(8,000 x g、3分間、室温)し、ろ過された核酸溶液を回収する。
得られた核酸溶液はPCRやRT-PCRなどの鋳型としてそのまま使用できます。
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実験例1 PCR阻害が見られるイチゴ葉DNAのクリーンアップ
ポリフェノールを多く含むイチゴの葉から、簡易抽出試薬Template Prepper for DNA (Code No. 316-08911)を用いて回収したDNA溶液(遠心上清液)を、本品とA社品のプロトコールに従ってカラム精製を行った。
結果 着色が見られたDNA溶液は、本品で処理することで着色成分が取り除かれた。
PCR増幅も確認され、PCR阻害物質がDNA溶液から除去されたことが示唆された。
実験例2 PCR阻害が見られる土壌DNAのクリーンアップ
腐植物質を多く含む土壌から、ISOSPIN Soil DNA(Code No.310-09151)を用いてDNAを抽出した。得られたDNA溶液を希釈せずにPCRを実施すると酵素反応に阻害が見られたため、本品とA社品のプロトコールに従ってカラム精製を行った。
結果 本品で精製したDNA溶液は、吸光度比260/230値が処理前より大きく改善され、他社キットよりも高い値を示した。また、5倍希釈、10倍希釈する前の鋳型DNA濃度においてもPCRによる増幅産物が確認された。
実験例3 メラニンを含むRNA溶液のクリーンアップ
Jurkat細胞からISOSPIN Cell & Tissue RNAを用いてRNAを抽出した。 メラニンを含まないRNA溶液(コントロール)、RNA溶液中に100 ngのメラニンを添加したもの(Non-treated)、メラニンを添加してから本品を用いて処理したもの(クリーンアップ後)それぞれをテンプレート*1にし、GeneAce cDNA Synthesis Kitを用いてcDNAを合成した。 合成したcDNAを鋳型にGeneAce Probe qPCR Mix IIを用いてリアルタイムPCRを行った(2ステップ RT-qPCR、増幅領域:hGAPDH)。
*1 メラニンを溶解させるため、微量の塩基(NaOH)を加えた。メラニンを添加していないコントロールにも同量の塩基を添加した。
コントロール:メラニンを含まないRNA溶液(Non-treated)
メラニンを添加したRNA溶液(Non-treated)
メラニンを添加したRNA溶液(クリーンアップ後)
結果 PCR Inhibitor CleanUp Kit(本品)で処理する前のRNA溶液ではメラニンによる逆転写反応の阻害が見られたが、本品で処理した後では、コントロールと同等のRT-qPCRの立ち上がりを示した。このことから、本品によって逆転写反応を阻害するメラニンを除去できたことが確認された。
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Q & A
- 核酸収量が減少している。
- スタート時の核酸の濃度・量が過剰に見積もられた可能性があります。
・ PCR阻害物質が混入した核酸溶液は、吸光度測定では正確な定量はできません。
活性炭に一部の核酸が吸着した可能性があります。
・ 抽出後の核酸をヌクレアーゼフリー水で溶解した場合は特に、核酸溶液のpHが酸性でないことを確認してください(DNAは酸性下で活性炭に吸着しやすくなります)。
・ タンパク質などが含まれない精製された核酸溶液を用意してください。
・ カラム内の充てん剤の層が、AC Slurryの活性炭と親水性ポリマーがよく混合された状態であることが重要となります。プロトコールの一連の操作は中断しないで、操作手順通りキットを使用してください。
- 本キットで再精製したのにPCRで増幅が確認できない。
- 処理前からすでに核酸が分解している可能性があります。
・核酸溶液中にサンプル由来のヌクレアーゼが混入している可能性があります。タンパク質などが含まれない精製された核酸溶液を用意してください。
本キットで除去できないPCR阻害物質の混入か、阻害物質とは別の要因が影響している可能性があります。
・本キットで除去できるPCR阻害物質(確認済み)と、その物質を多く含むサンプルの例をご紹介します。このリストにない物質も除去できる可能性はあります。
- AC Slurryをマイクロピペットで吸い取れない。
- 内口径の直径が1.5 mm以上の広径ピペットチップを使用してください。
内口径φ1.5 mm未満のピペットチップを使用した場合、チップ内で目詰まりする可能性があります。広径チップがない場合は、1000 µl容量ピペットチップの先端を2-3 mmほど切断して代用することも可能です。マイクロピペットのメーカーは、正確性が損なわれるとして先端を切ったチップの使用は推奨していませんが、本キットではAC Slurryを50回分よりも多めに供給しています。
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資料 Data Sheet
製品マニュアル
SDS(Safety Data Sheet)
リーフレット
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関連情報
備考
- 本品は試験研究用試薬です。医薬品の用途には使用しないでください。
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