ISOVIRUS、ISOVIRUS II

ウイルス二本鎖RNA精製キット
核酸抽出/精製
品名 Code No. 包装単位 価格 備考
ISOVIRUS 310-08811 20回用 55,000円 (植物・真菌用)
ISOVIRUS II 312-09091 20回用 60,000円 (動物試料用)

製造元 (株)ニッポンジーン

表示価格は希望納入価格 (税別) です。

製品説明

イメージ図
イメージ図. 宿主とRNAウイルスの関係
RNAウイルスに感染した細胞内では、宿主のシステムを利用してウイルスの遺伝子が
複製されます。 複製後、宿主細胞を壊して細胞外に出るウイルスがよく知られていますが、
細胞の中でウイルス粒子を形成せず宿主と共存するウイルスも報告されています。

ISOVIRUS (植物・真菌試料)

ISOVIRUS(アイソヴァイラス)は、植物や真菌試料からウイルス等に由来する長鎖の二本鎖RNA (double-stranded RNA:dsRNA) を選択的に抽出・精製するためのキットです。dsRNAがセルロース担体へ特異的に吸着する原理を利用し、得られたdsRNAはRNAシークエンス*等のアプリケーションに使用可能です。

* 精製dsRNAは網羅的RNAウイルス探索手法FLDS(fragmented and loop primer ligated dsRNA sequencing)に使用可能です。

ISOVIRUS II (動物組織・培養細胞用)

ISOVIRUS II (アイソヴァイラス2)は、動物組織や培養細胞から選択的にウイルス等に由来する長鎖の二本鎖RNA(dsRNA)を抽出・精製するためのキットです。 一本鎖RNAのみを切断する条件下でRNase A処理を行った後、dsRNAを精製するため、一本鎖RNAが混入しやすい動物組織等からも高純度のdsRNAを回収することができます。

特長

身近な試料からRNAウイルスを探索!200 bp以上の長鎖dsRNAを精製可能!別キット*で回収した総核酸からもdsRNA を精製可能
* RNA抽出用試薬ISOGEN等で抽出した総RNA溶液からdsRNAを精製できることを確認しています。
なお、ニッポンジーンでは、植物からtotal RNAを抽出するキット(ISOSPIN Plant RNA)、動物細胞や組織からtotal RNAを抽出するキット(ISOSPIN Cell & Tissue RNA)や、体液からウイルスRNAを精製するキット(ISOSPIN Viral RNA)など、RNA抽出キットを数多く取り揃えております。

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製品内容

ISOVIRUS、ISOVIRUS II (20回用)
構成品 ISOVIRUS
(容量)
ISOVIRUS II
(容量)
保存 備考
Proteinase K 500 µl x 1 500 µl x 1 -20°C  
DNase I (RNase free) 1000 units x 1 1000 units x 1 -20°C  
10 x DNase I Buffer 1.2 ml x 1 -20°C  
RNase A (100 mg/ml) 30 µl x 1 室温 ※長期保存 冷蔵/冷凍
VR Extraction Buffer PF1 10 ml x 1 室温 VR Extraction Buffer PF1は低温になると成分が析出する場合があります。析出物が生じた場合は、65℃程度に加温し、振り混ぜて析出物を完全に溶解してからご使用下さい。
VR Extraction Buffer CT1 10 ml x 1 室温  
VR Extraction Buffer 2 2 ml x 1 2 ml x 1 室温 VR Extraction Buffer 2は低温になると成分が析出する場合があります。析出物が生じた場合は、65℃程度に加温し、振り混ぜて析出物を完全に溶解してからご使用下さい。
2 x STE Buffer 7 ml x 1 7 ml x 1 室温  
Filter Column 20本 x 1袋 20本 x 1袋 室温 Filter Column は、本キット専用カラムとCollection Tubeからなります。
Swollen Cellulose 10本 x 2箱 10本 x 2箱 室温 Swollen Celluloseにはエタノールが含まれています。
VR Wash Buffer 40 ml x 2 40 ml x 2 室温 VR Wash Bufferにはエタノールが含まれています。ご使用後は蒸発を防ぐため速やかに蓋を閉め、保管して下さい。
VR Elution Buffer 4 ml x 1 4 ml x 1 室温 VR Elution Bufferは1 mM EDTAを含む弱アルカリ性溶液です。

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使用例

実験の流れ

Data 1: 総核酸からのdsRNA 精製 (ISOVIRUS)

本キットのプロトコールに従い、60 mgのキャベツを破砕した。 そこに in vitro 転写で合成した300 bpのdsRNA※1を添加し、Proteinase Kを加えて反応させた。その後、遠心分離で夾雑物を除き上清を回収した(図Lane①, 15 μL泳動)。
続けて、本キットのプロトコールに従って精製を行い、セルロース充填カラムから100 μlの溶出液でdsRNA溶液を得た(図Lane②, 15 μL泳動)。

(※1)二本鎖RNA(dsRNA)は、相補的な一本鎖RNAをそれぞれin vitro転写反応で合成し、混合して二本鎖を形成させた。

結果 本キットで、総核酸(DNA, ssRNA, dsRNA)からdsRNAを選択的に精製することができた。

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Data 2: RNaseフリー水とVR Elution Bufferの溶出効率の比較 (ISOVIRUS)


 各溶出液で得られたdsRNA溶液の電気泳動像比較

溶出液として、RNaseフリー水(Code No. 316-90101:Distilled Water, Deionized, Sterile)と VR Elution Buffer(キット構成品)を使用して、セルロース担体に吸着しているdsRNAを以下の操作手順で溶出し、吸光度測定と非変性アガロースゲル電気泳動を行った。

: RNaseフリー水で溶出したdsRNA溶液のうち15 μ lを泳動
EB: VR Elution Bufferで溶出したdsRNA溶液のうち15 μl を泳動

結果  電気泳動像の比較では、RNaseフリー水とVR Elution Bufferのどちらを使用しても、ほぼ同等の溶出効率でdsRNA溶液を得られた。
この時、吸光度測定上では、VR Elution Bufferで得られた収量を100%とするとRNaseフリー水で得られた収量は80%であった。


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Q & A

抽出済みの総RNAからdsRNAは精製可能か?
ISOVIRUS(植物・真菌類用)を用いて動物組織からdsRNAは精製可能か?
動物試料用のISOVIRUS II を用いて、植物や真菌試料からウイルス由来のdsRNAを抽出・精製できますか?
dsRNAをクローニングやNGS解析するには?
一本鎖RNAウイルスは検出可能か?
ステップAで調製したセルロース充填カラムにステップBの16% EtOH混合液を全量添加して15分間静置しても、ろ液が自然落下しない。

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資料 Data Sheet

製品マニュアル

SDS(Safety Data Sheet)

リーフレット

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関連情報

備考

使用上の注意

参考文献

  1. Urayama S, Doi N, Kondo F, Chiba Y, Takaki Y, Hirai M, Minegishi Y, Hagiwara D, Nunoura T. (2020)
    Diverged and active partitiviruses in lichen.
    Front. Microbiol. 11: 561344
  2. Ryo Okada, Eri Kiyota, Hiromitsu Moriyama, Toshiyuki Fukuhara, Tomohide Natsuaki (2015)
    A simple and rapid method to purify viral dsRNA from plant and fungal tissue.
    J Gen Plant Pathol 81: 103-107
  3. Ioannis E. Tzanetakis, Robert R. Martin (2008)
    A new method for extraction of double-stranded RNA from plants.
    J Virol Methods 149: 167-170
  4. Morris, T.J., Dodds, J.A. (1979)
    Isolation and analysis of double-stranded RNA from virus-infected plant and fungal tissue.
    Phytopathology 69: 854-858.
  5. Richard M. Franklin (1966)
    Purification and properties of the replicative intermediate of the RNA bacteriophage R17.
    Proc Natl Acad Sci U S A. 55: 1504-1511. 
  6. Syun-ichi Urayama, Yoshihiro Takaki, Shinro Nishi, Yukari Yoshida-Takashima, Shigeru Deguchi, Ken Takai, Takuro Nunoura (2018)
    Unveiling the RNA virosphere associated with marine microorganisms.
    Mol Ecol Resour 18: 1444-1455
  7. 浦山俊一, 福原崇介. 「高等動物からの2本鎖RNA精製技術が可能とする高効率なRNAウイルスの網羅検出」 和光純薬時報. 2023, Vol.91, No.2, p.8-9

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問い合わせ先

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富士フイルム和光純薬株式会社および同社代理店・特約店
製品に関するお問い合わせ先
株式会社ニッポンジーン 学術営業課

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