ISOHAIR 100回分
ヒトの毛髪や爪からのDNA抽出は法医学の分野において非常に重要な技術です。これらの試料から簡単かつ迅速にDNAを抽出できることは、分子生物学の分野において、これまで主な試料であった血液や組織と比べてウイルス感染等の危険が少なく、試料の入手も簡単であるという点で有用です。
ISOHAIR(アイソヘアー)はヒトの毛髪、爪からのDNA抽出用キットです。毛髪や爪の主成分はケラチンという非常に分解しにくいタンパク質であり、毛髪を完全に溶解するには、通常タンパク質分解酵素を含むバッファー中でインキュベートを長時間行わなければなりません。
本品は毛髪を約30分間で完全に分解することを可能にしました。操作が簡単な上、トータル約1時間でDNAを抽出することができるため、ヒトゲノムDNAが必要な場合にも大変便利です。また、本品を用いてマウス体毛及び爪からDNAを抽出したデータも得られています。
ヒトの毛髪や爪からDNA抽出が可能操作が簡単で約1 時間でDNAを抽出マウスの体毛や爪からのDNA抽出も可能
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冷凍保存(-20°C)
構成品 | 容量(100回用) | 備考 |
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Extraction Buffer | 20 ml x 1 |
Extraction Buffer中に白い結晶が現れることがありますが、品質には問題はありません。このような場合には、50℃程度の湯浴中で結晶を完全に溶解させてから使用して下さい。 |
Enzyme Solution | 1 ml x 1 |
|
Lysis Solution | 0.8 ml x 1 |
|
Ethachinmate | 0.2 ml x 1 |
|
3M Sodium Acetate (pH5.2) | 2 ml x 1 |
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TE (pH8.0) | 1 ml x 2 |
製品マニュアルを確認の上、核酸抽出実験で使用するバッファー類は別途ご準備ください。
・ フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール
・ ddH2O
・ エタノール(富士フイルム和光純薬株式会社サイトにリンク)
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*注釈は、製品マニュアルを参照
下記実験例について、詳しくは ISOHAIR実験データ集(PDF) をご覧ください。
[ヒト 毛髪] |
1. ミトコンドリアDNAの検出 |
---|---|
2. p53遺伝子の検出 | |
3. MCT118型検査 | |
4. T4 gene 32 proteinを用いたPCR阻害の緩和 | |
5. 毛髪から得られるDNA量 | |
6. 毛髪の部位とDNA量 | |
7. 脱毛後の時間経過とDNA量 | |
8. PCR条件 | |
[ヒト 爪] |
1. ミトコンドリアDNAの検出 |
2. p53遺伝子の検出 | |
3. MCT118型検査 | |
[マウス 体毛] |
1. ミトコンドリアDNAの検出 |
2. p53遺伝子の検出 | |
[マウス 爪] |
1. ミトコンドリアDNA及びp53遺伝子の検出 |
[ヒトの毛髪、爪、口腔粘膜] |
1. ヒトの毛髪、爪、口腔粘膜を用いた実験例 |
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ISOHAIR | ISOHAIR EASY | |
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サンプル | ・ヒト毛髪: 毛根部試料は抜去した毛髪の毛根から約1cm、毛幹部試料は毛根部試料の先2~6cm。(自然脱毛した検体も可) ・ヒト爪: 先端を爪切りで切り取り、それをカッターで約1mm 角位に切ったもの2 個(0.5mg)程度。 ・マウス体毛: 一つまみ(5mg 程度)分をはさみで切り取ったもの。 ・マウス爪: 先端から約1~2mm 程度を切り取ったもの。 *試料は新鮮なものの方が収量がよい。 |
・ヒトの毛根: 毛根部から約1.5 cm。(毛根が目視で確認できない検体や自然脱毛した検体では、十分な核酸が得られない場合がある。) |
プロトコール | ・約1時間の操作 | ・約30分間の操作 |
抽出の様子 | ・毛髪を溶解 左:一回目インキュベート(55℃, 20 分)後 右:二回目インキュベート( 55℃, 5~10 分)後 <完全溶解> |
・毛髪をISOHAIR EASY 中でインキュベートした際は、見た目上ほとんど変化しない。(溶解していないように見えるが、実際にはDNA が溶出している) |
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