品名 | Code No. | 包装単位 | 価格 | 備考 |
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Cas9 Nuclease protein NLS (3 µg/µl) | 319-08641 | 75 µg | 23,000円 | ライセンス |
Cas9 Nuclease protein NLS (15 µg/µl) | 316-08651 | 300 µg | 75,000円 | ライセンス |
製造元 (株)ニッポンジーン
表示価格は希望納入価格 (税別) です。
本品は、Streptococcus pyogenes 由来のCas9 ヌクレアーゼを、組換え大腸菌で発現・精製したものです。核移行シグナル (nuclear localization sequence: NLS) を有しており、合成したガイドRNA (gRNA) と組み合わせることでゲノム編集に利用することができます。
ゲノム編集は、細胞の核の中でゲノムDNAの塩基配列を改変する技術です。RNA誘導型ヌクレアーゼであるCas9 タンパク質は、gRNAと相補的に結合した任意のDNA配列を二重鎖切断 (DSB: double-strand break) し、DNA損傷修復機構を利用して遺伝子変異を引き起こすことができます。
・15 μg/μlの高濃度品をラインナップに追加!→実験例:エレクトロポレーションによるヒトiPS細胞への導入
・生産効率を上げて低価格を実現
・高純度・高品質のCas9 Nuclease タンパク質
・核移行シグナル (NLS) を付加
・低エンドトキシン (1 EU/μg 未満)
起源 | 遺伝子組換え大腸菌 |
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酵素形状 | 10 mM Tris-HCl (pH 7.5), 300 mM NaCl, 0.1 mM EDTA, 1 mM DTT, 50% Glycerol |
備考 | 1 EU/μg 未満 (ゲル化比濁法によるエンドトキシン試験) |
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構成品 | 容量 | 保存 | 備考 |
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Cas9 Nuclease protein NLS (3 µg/µl) | 75 µg x 1本 | -20°C | 75 µg (468.8 pmol) 濃度: 3 μg/μl |
構成品 | 容量 | 保存 | 備考 |
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Cas9 Nuclease protein NLS (15 µg/µl) | 300 µg x 1本 | -20°C | 300 µg (1875 pmol) 濃度: 15 μg/μl |
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Cas9 Nuclease protein NLS (約1-2 pmol) | 150 - 300 ng | |
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tracrRNA (2 μM) | 1 μl | |
crRNA (2 μM) | 1 μl | |
室温 5 分間 | ||
基質DNA | 100 ng | |
10 x H buffer *1 | 2 μl | |
d.d.H2O | up to 20 μl |
37°C、60 分間
Loading Buffer (SDS含有)*2 を添加し、 65°C、5 分間
アガロースゲル電気泳動
*1 10X H Buffer 組成:500mM Tris-HCl (pH 7.9), 1M NaCl, 100mM MgCl2, 10mM DTT
*2 正確な泳動結果を得るため、SDSを含むLoading Buffer(Code No. 313-90111)などを使用
Cas9 Nuclease protein NLS (15 µg/µl)を使用し、エレクトロポレーション(EP)法でヒトiPS細胞201B7株へ導入し、ノックイン細胞株を作製した。 ノックインには、標的遺伝子XXにある制限酵素HindIIIサイトの中にEcoRIサイトを付加した150 nt のノックインドナーDNA(一本鎖オリゴヌクレオチド:ssODN)を使用した。
装置: 4D-Nucleofector (Lonza)
細胞数: 0.5 x 106 cells/EP
使用製品: Cas9 Nuclease protein NLS (15 µg/µl) 100pmol
セレクション: 限界希釈・ピックアップ
図1 エレクトロポレーション・限界希釈後のシングルクローン細胞株のスクリーニング(ホモKIサンプル例)
ゲノム編集により、制限酵素HindIIIサイトがある標的配列にノックアウト(KO)、ノックイン(KI)などの遺伝子変異が生じると、HindIIIでは切断されない。
ssODNには制限酵素EcoRIサイトを付加しているため、ssODNによるノックイン(KI)に成功すると、EcoRIによって切断されるバンドが生じる。
したがって、左図において両アレルノックイン(ホモKI)候補は、6、16、21レーンのサンプルである。
表1 シングルクローン細胞株のスクリーニング結果
WT:全アレル野生型
1KO:1アレル以上ノックアウト
1KI:ノックインと野生型のアレル混在もしくはノックイン、ノックアウトと野生型アレル混在
2KO:全アレルノックアウト(ホモKO)
1KO, 1KI:ノックアウトとノックインのアレル混在
2KIΔ:全アレルノックイン(ホモKI)または1KO, 1KI の可能性あり
2KI:全アレルノックイン(ホモKI)
iPS細胞ノックイン細胞株のシークエンス解析
両アレルノックイン(ホモKI)候補サンプルの変異領域についてシークエンス解析を行い、ノックイン細胞株であることを確認した。
野生型アレルの制限酵素HindIIIサイト(AAGCTT)配列の中に、制限酵素EcoRIサイト(GAATTC)がノックインされている。
Cas9 Nuclease protein NLS (15 µg/µl) を用いて、ヒトiPS細胞のノックイン細胞株(EcoRIサイト導入)を得ることができた。
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マウスSmpd3 遺伝子を標的として、本品とgRNAおよびノックインドナーDNA(一本鎖オリゴヌクレオチド:ssODN)を混合し、C57BL/6Jマウス受精卵の前核と細胞質にマイクロインジェクションした。マウス 2細胞期胚を仮親に移植し、誕生した仔マウスについて遺伝子ノックインの有無を確認した。
Surveyor assay (Cel-I ヌクレアーゼアッセイ) では、Cas9 の導入によりノックアウト、ノックインなどの遺伝子変異が導入された改変体個体をバンドシフトによりスクリーニングすることができる。本実験では、誕生した仔マウス11匹のうち6匹のサンプルにおいて、Cel-Iヌクレアーゼにより切断されたPCR産物が観察された(矢印, 下左図)。
ドナーDNA(ssODN)に予め制限酵素(BamHⅠ)サイトを付加した。得られたPCR産物をBamH I で消化したところ、Surveyor assay で陽性検出された変異体候補サンプルで、切断断片が観察された(矢印, 下右図)。
誕生した11匹の仔マウスのうち 6匹のマウスにおいて遺伝子ノックインが確認された。このことから、Cas9 Nuclease protein NLS を用いて効率良く遺伝子ノックインを行えたことが分かった。
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