品名 | Code No. | 包装単位 | 価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|
ISOSPIN Fecal DNA | 315-08621 | 50回用 | 48,000円 | |
製造元 (株)ニッポンジーン
表示価格は希望納入価格 (税別) です。
ISOSPIN Fecal DNA 50回用
ISOSPIN Fecal DNA(アイソスピン フィーカル ディーエヌエー)は、スピンカラムを用いて糞便からDNAを抽出・精製するためのキットです。
糞便に至適化した抽出液とビーズビーティングによる物理的な破砕の併用によって、強固な細胞壁を有する微生物からもDNAを抽出することが可能です。 また、精製工程においては、独自開発したスピンカラムを採用しており、フェノールやクロロホルムなどの毒性有機溶媒を使用することなく、迅速・簡便にDNAを精製することが可能です。
本品のご使用には、別途 ビーズ式破砕装置(2 mlチューブ対応) が必要になります。
260/230比が高く、吸光度測定結果に基づいて算出されるDNA濃度の信頼性も高いです。
本製品は、日本マイクロバイオームコンソーシアム(JMBC)をはじめ、大学、公的研究機関、製薬メーカー、食品メーカー、受託検査会社等、数多くのお客様に採用されています。
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構成品 | 容量 | 保存 | 備考 |
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FE1 Buffer | 35 ml x 1 | 室温 | FE1 Buffer中に白い結晶が析出する場合がありますが、品質、性能に問題はありません。ときおり混和しながら、容器ごと37~65℃で加温し、結晶を完全に溶解させてからご使用ください。 |
FE2 Buffer | 4.5 ml x 1 | 室温 | |
FB Buffer | 40 ml x 1 | 室温 | |
FW Buffer | 40 ml x 1 | 室温 | |
TE (pH 8.0) | 5 ml x 1 | 室温 | |
RNase A (100 mg/ml) | 0.5 ml x 1 | 室温* | * 長期間使用しない場合は冷蔵もしくは冷凍保存(-20℃)してください。 |
Beads Tube | 50本 x 1 | 室温 | 2 ml 容量のチューブの中にビーズが入っています。 |
Spin Column | 50本 x 1 | 室温 | 上部パーツ:カラム、下部パーツ:Collection Tube |
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標準プロトコールは、ビーズビーティングによる物理的な破砕の併用によって、強固な細胞壁を有する微生物からもDNAを抽出することが可能です。なお、DNAの物理的な剪断を避けたい場合には、ビーズビーティングを行わない熱処理法による抽出プロトコールをお試しください。
本キットを用いて、0.2 gのヒト糞便サンプルからDNA溶液を得た。吸光度測定値に基づいて定量した 200 ngのサンプルを電気泳動した。
左図:電気泳動像(1% Agarose S/TAEゲル)
右図:吸光スペクトル
ヒト糞便サンプルから、標準プロトコール(Beads Beat法)と熱処理法によるプロトコールの両方法で高品質なDNA溶液を得ることができた。
増幅曲線
本品およびA社、B社の糞便DNA抽出キットを用いて、0.2 gのヒト糞便からDNA溶液を得た。
吸光度測定結果に基づいて定量した5 ngのDNAを鋳型に Bifidobacterium 属を検出するプライマーとプローブ、リアルタイムPCR試薬DirectAce qPCR Mix plus ROX Tubeを用いて Ct 値を比較した。
ISOSPIN Fecal DNA(本品)で抽出したDNAを用いた場合、A社およびB社の糞便DNA抽出キットで得られたDNA溶液よりも低い Ct 値を示した。このことから、ISOSPIN Fecal DNA は、ヒト糞便中の Bifidobacterium 属のようなグラム陽性菌からも効率的にDNAを得ることが可能であると示唆された。
各社キットを使用し、糞便からDNAを抽出後、吸光度にてDNAの収量を比較した。糞便のサンプル量は各社キットのプロトコールに従った。
① 糞便からのDNA収量 比較データメーカー | 糞便量 | DNA収量 | 糞便1mgあたりのDNA収量 |
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ISOSPIN Fecal DNA (Beads Beat法) | 200 mg | 24.27 µg | 0.121 µg/mg |
ISOSPIN Fecal DNA (熱処理法) | 200 mg | 25.26 µg | 0.126 µg/mg |
A社キット | 250 mg | 2.42 µg | 0.010 µg/mg |
B社キット | 200 mg | 8.46 µg | 0.042 µg/mg |
C社キット | 500 mg | 23.33 µg | 0.047 µg/mg |
結果 ISOSPIN Fecal DNA(本品)は他社キットと比較して高いDNA収量が得られた。
各種キットで抽出した糞便DNAの電気泳動像比較(1% Agarose S/TAE)
各社キットで抽出したDNAを、吸光度測定結果に基づいて 200 ngに揃えた後、電気泳動を行った。
M: OneSTEP Marker 6 (Lambda/StyI digest)
①:ISOSPIN Fecal DNA(Beads Beat法標準プロトコール)
②:ISOSPIN Fecal DNA(熱処理法によるプロトコール)
③:A社キット
④:B社キット
⑤:C社キット
結果
ISOSPIN Fecal DNA(本品)は、他社キットよりもシグナル強度の強いバンドが検出された。
他社キットはDNA以外の不純物が吸光度に影響を与えていると考えられ、本品はより純度の高いDNAが得られていることが示唆された。
各社キットで抽出したDNAの吸光度の平均値(n=3)を算出し、260 nmのAbsを1に揃えて比較した。
結果 ISOSPIN Fecal DNA(本品)は、他社キットと比較して高純度のDNAが得られた。
※ 本実験データは、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 ワクチンマテリアルプロジェクト 國澤 純 先生、細見 晃司 先生 からご提供いただきました。 以降、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 様を「医薬健栄研」と略して記載しています。(参考文献 1)
ヒト6名分の糞便サンプルをテクノスルガ・ラボ社の採便キットを用いて採取し、ボルテックスでよく混和した。懸濁液(保存液に浸した糞便) 0.2 ml (0.03-0.1 g/ml)から、医薬健栄研プロトコル(ビーズ破砕・自動核酸抽出)もしくは本キット(ISOSPIN Fecal DNA)標準プロトコルでDNAを調製し、16S rRNA のV3-V4領域をイルミナ社Miseq でシーケンスした。属レベルで細菌叢解析を行い、割合が多い上位30菌種をグラフにまとめた。
結果 ISOSPIN Fecal DNA(本品)で抽出したDNAと医薬健栄研プロトコールで抽出したDNAで高い相関があることが示唆された。
ヒト12名分の唾液サンプルを採取した。唾液サンプル 0.2 ml から、医薬健栄研プロトコル(ビーズ破砕・自動核酸抽出)もしくは本キット(ISOSPIN Fecal DNA)標準プロトコルでDNAを調製した。それぞれの方法で抽出したDNAをイルミナ社Miseq でシーケンスし、細菌叢解析を行った。
結果
同じ被験者からのサンプルは、同じクラスターに分類された。唾液サンプルの場合でも、ISOSPIN Fecal DNA(本品)で抽出したDNAと医薬健栄研プロトコールで抽出したDNAで高い相関があることが示唆された。
本品を用いてマウス糞便50 mgからDNAを抽出し、細菌の16S rRNA領域をPCRで増幅した。PCR産物は10 μLずつ電気泳動に供した。
抽出条件
ISOSPIN Fecal DNA 標準プロトコールから、使用する糞便量を200 mg から50 mgに変更した。(糞便が乾燥し、吸水性が高かったため使用する糞便量を減らした。)
PCR条件
鋳型:マウス糞便から抽出したDNA溶液またはその希釈液 1 μL
PCR酵素:Gene Taq NT(Code No. 318-03231)
試料のスタート量を200 mgから50 mgに減らすことで、マウス糞便からDNA抽出できた。
各社キットを使用してウシ糞便からDNA溶液を得た。吸光度測定値に基づいて定量した5 ngのDNAを鋳型にリアルタイムPCRで細菌の16S rRNA領域を増幅した。
吸光度測定の結果より、本品は他社キットと比較して純度よくDNAが得られた。 また、リアルタイムPCRでは、最も早い増幅曲線の立ち上がりを示した。
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