ISOSPIN Soil DNA 使用例

土壌からのDNA抽出キット

実験例

ISOSPIN Soil DNA マニュアルに記載の以下プロトコールに従い、非火山灰土壌と黒ボク土(火山灰土壌)からDNAを抽出しました。

抽出方法

  •  標準プロトコール: マニュアルに記載の通り(Lysis Solution 20Sの添加量は100 μl)
  •  NGS用プロトコール: Lysis Solution 20Sの添加量を10 μlに変更
  •  標準プロトコール(SP1): 標準プロトコールで、Lysis Solution BBの代わりにLysis Solution BB SP1を使用
  •  NGS用プロトコール(SP1): NGSプロトコールで、Lysis Solution BBの代わりにLysis Solution BB SP1を使用

Data 1 土壌サンプルからのDNA抽出(電気泳動結果と吸光度データ)

電気泳動結果

0.5gの土壌からDNA抽出を行い、吸光度測定により収量を算出したあと、200 ngのDNAを電気泳動に供しました。
結果、ビーズ破砕しているのである程度のせん断は免れませんが、NGSプロトコールよりも標準プロトコールの方が、せん断の少ないDNAを抽出することができました。

吸光度データ

結果

標準プロトコールの場合、いずれの土壌からもDNAを抽出することができました。オプションSP1の使用は、非火山灰土壌からのDNA抽出には適しませんが、黒ボク土からDNAを抽出する際には収量の向上がみられました。

Data 2 土壌DNAのPCR検出

本キットを用いて非火山灰土壌と黒ボク土(火山灰土壌)から抽出したDNAを鋳型に、16S rRNA遺伝子の27F-1492R領域をPCR で増幅させました。

結果

標準プロトコールおよびNGS用プロトコールで抽出したDNAは、PCR検出に使用できました。

Data 3 NGSを用いた土壌細菌叢解析

オートクレーブ処理した土壌サンプル(非火山灰土壌、黒ボク土)にNBRC(製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター)の菌体カクテル(Cell-Mock-001)を添加し、本キットの各プロトコールでDNAを抽出し、16S rRNA遺伝子(V3V4領域)をNGS解析して比較しました。

Bacillus subtilis subsp. subtilis   Bifidobacterium pseudocatenulatum   Clostridium butyricum   Corynebacterium striatum   Cutibacterium acnes subsp. acnes   Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii   Staphylococcus epidermidis   Streptococcus mutans   Acinetobacter radioresistens   Bacteroides uniformis   Enterocloster clostridioformis  Comamonas terrigena   Escherichia coli (K-12株)   Parabacteroides distasonis  Pseudomonas putida
「参照1」(V3V4領域解析結果、NBRC)と「参照2」(理論値、NBRC)は、菌体カクテル(Cell-Mock-001)に添付のデータシートに記載された割合です(参考値)。

結果

NGS用プロトコールで抽出したDNAの解析データは、NBRCが示す参考値と近い結果が得られました。
また、黒ボク土においては、他社キット(A, B, C)で抽出したDNAでV3V4領域がPCRで増幅できなかったのに対して、本キットのNGSプロトコールでオプションのLysis Solution BB SP1(別売)を使用することで非火山灰土壌とほぼ同様の結果が得られました。

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