牛ブルセラ症エライザキット のよくある質問
動物用体外診断用医薬品
Animal IVD
Q & A
- 1. 牛ブルセラ症エライザキットを使用するときの一般的な注意事項は
- 2次抗体以外の副剤とお使いになるストリップをあらかじめ箱から出し、室温に戻しておく。
10倍濃度洗浄液、発色基質液、反応停止液は塩が析出しているので溶解してから使用する。
- 発色基質液は遮光しておく。
- ストリップの外側に保存液が付着していることがあり、そのまま使用すると乾燥して曇りの原因となる。使用前にぬれたペーパータオルなどでふき取っておく。
- 検体数が多い場合は指示血清との時間的な差が小さくなるよう予め希釈した血清をマルチチャンネルピペットを用いて分注する。
- 洗浄は全てのウェルに洗浄液が充填されていることを確認し、洗浄液をこぼした後はペーパータオルなどの上で下向きにしたプレートをたたき充分に水をきる。
- プレート洗浄機で洗浄する場合はノズルの詰まり、汚れがないようメンテナンスを行う。
- マイクロピペットは正確に分注できるよう校正を行っておく。
- リザーバー、器具、チップなどは清潔なものを使用する。特に発色基質液を使用する器具類は水道水の塩素などが残らないよう精製水で充分すすいだものを使用する。
- 使用した後の試薬は速やかに冷蔵庫に戻す。
- 2. 希釈した洗浄液は保存できるのか
- 使用時に希釈するのが望ましいですが、冷蔵庫で3日くらいであれば保存できます。
なお10倍に希釈した洗浄液は2次抗体希釈用液としても使用します。
- 3. 使い残りのモジュールはどうやって保存すればよいか
- なるべく空気をぬいてチャックをぴったり閉め、保存液がこぼれないように水平に保って保管してください。
水分が蒸発して結晶ができてしまうと使用できなくなります。水を含んだキムワイプなどをプレートの脇に置いて同封すると蒸発しにくくなります。
- 4. 牛ブルセラ症エライザキットを使用するために必要な器具、試薬は
- 415nmが測定できる96穴プレートリーダー、8連または12連マルチチャンネルピペット、リザーバー、マイクロピペット(5μL~5mL程度)、血清を希釈するチューブ(8連または12連のマイクロピペットで連続分注できるもの)、ペーパータオル、プレートを覆うフィルム、30%過酸化水素水(冷蔵保存)、純水
- 5. 10倍濃度洗浄液に沈殿がある
- 冷蔵保存のため塩が析出している場合があります。
56℃以下の恒温水槽などで溶解し、均一にしてからお使いください。
- 6. 発色基質液に沈殿がある
- 冷蔵保存のため固体が析出している場合があります。25℃の恒温水槽などで溶解し均一にしてからお使いください。
完全に溶けていないとチップに詰まったり、吸光度が正確に出ない場合があります。
比較的溶けにくいので、時々ボルテックスミキサーなどで攪拌すると早く溶けます。
- 7. 反応停止液が固まっている
- 冷蔵保存のため固体が析出している場合があります。25℃の恒温水槽などで溶解し均一にしてからお使いください。
発色時間は10分間ですから、発色基質液を分注する前に溶解していることを確認してください。
- 8. 指示陰性血清の吸光度が高い
- キットの指示陰性血清はキットの使用方法で測定したとき0.1以下の吸光度が得られるように設定してあります。
吸光度が0.1を超えた場合、操作の間違いなどが考えられます。たとえば
・検体反応後(2次抗体添加前)の洗浄が不十分。
・2次抗体溶液の希釈倍率を間違えた。
・反応時間が長すぎた。反応温度が高すぎた。
・ピペットの校正不良により試薬の採取量が不正確であった。
・試薬の調製時の取り違え、
など。
なお肉眼では発色がないのに吸光度値が高い場合、泡が立っている、ウェルの外側が曇っている、吸光度計の整備不良などが考えられます。
- 9. 指示陽性血清の吸光度が低い
- キットの指示陽性血清はキットの使用方法で測定したとき0.8~2.5の吸光度が得られるように設定してあります。
吸光度が0.8以下であった場合、操作の間違いなどが考えられます。たとえば
・検体反応後(2次抗体添加前)の洗浄が不十分。
・血清または2次抗体溶液の希釈倍率を間違えた。
・ピペットの校正不良により試薬の採取量が不正確であった。
・試薬の調製時の取り違え。
・反応温度(25±5℃)が低い、反応時間の間違い など。
また肉眼では発色が見られるのに吸光度が低い場合は吸光度計の整備不良により正確な吸光度が表示されていない可能性も考えられます。
- 10. 指示陽性血清の吸光度が高すぎる
- キットの指示陽性血清はキットの使用方法で測定したとき0.8~2.5の吸光度が得られるように設定してあります。
吸光度が2.5以上で試験成立条件から外れた場合、操作の間違いなどが考えられます。たとえば
・2次抗体反応後(発色基質液添加前)の洗浄が不十分。
・血清または2次抗体溶液の希釈倍率を間違えた。
・ピペットの校正不良により試薬の採取量が不正確であった。
・試薬の調製時の取り違え。
・反応温度(25±5℃)、反応時間の間違い。
・ウェルに泡が立っている、ウェルの外側が曇っている。
・吸光度計の整備不良。
などが考えられます。
- 11. 試薬をこぼしてしまったのでこれだけ買いたい
- 組み合わせ製剤であるため、申し訳ありませんが個別試薬の販売及び分与は行っておりません。
- 12. プレートの外装袋の真空がゆるんでいるが大丈夫か
- 未開封品の外装袋の真空がゆるんでいた場合はご相談ください。
また、開封後の使い残りのモジュールの保存方法についてはQ3をご覧ください。
- 13. 牛ブルセラ症エライザキットは405nmでも測定できるか
- 405nmの測定値は415nmの測定値と殆ど変わらず、検体の%Pに実際はほとんど影響はありませんが、本キットは動物用医薬品として承認されたものであり、415nmの吸光度値により結果を判定することとされています。
医薬品として診断に使用される場合は415nm付近(±1nm)で測定してください。
- 14. 発色停止後全体に色がついている
- 全てのウェルが一様に発色している場合は、2次抗体反応後(発色基質液添加前)の洗浄不足、発色基質液のコンタミネーションなどが考えられます。
発色基質液は酸化性物質などの混入により発色します。特に水道水の塩素などには鋭敏に反応します。
使用するリザーバー、チップなどの汚染にはご注意ください。
- 15. プレートの周辺部が中央部よりやや発色している
- プレートの周辺部が他に比べやや高い吸光度を示すことはELISAのエッジ効果と呼ばれ、インキュベーター内で周辺部が先に温まり、反応がより進むためと考えられています。
試薬類の温度が低い場合は、より顕著に現れます。
ただしエッジ効果による吸光度の差はごく小さいもので、吸光度が高い場合はエッジ効果ではなく別の原因である可能性があります。
- 16. 発色時に遮光しなくてよいのか
- 直射日光が当たらなければ必要ありません。室内の照明などは影響ありません。
- 17. 反応停止液添加後ウェルに泡がたつがどうすればよいか
- 反応停止液は泡が立ちやすい性質があります。泡が生じないように静かに分注してください。
マイクロピペットの2段階目の吐出しを行わない方法もあります。詳しくはマイクロピペットの取扱説明書を参照してください。
泡が生じてしまった場合は清潔で乾燥したチップの先で泡を突いて消してください。
- 18. 箱が異なる試薬を混合して使用してもよいか
- 同一製造番号であれば内容物は同じですが、同一キット内の試薬で過不足なくお使いいただけるよう設定してありますので、なるべく同一キット内の試薬をご使用ください。
製造番号が異なる場合は試薬の取替え、混合しての使用はできません。
- 19. 保存している過酸化水素水が使用できるか確認したい
- 240nmの吸光度を測定することで過酸化水素水の力価を確認することができます。
0.025%(8mM)の過酸化水素水の吸光度(光路長1cm)は0.35であるとされています(Hildebracdt,Roots 1975)。
この値より極端に低い場合はお使いにならないようお願いいたします。
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