ニッポンジーンの体外診断用医薬品事業は、 hCG (ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)に対するモノクローナル抗体を用いた妊娠診断補助試薬を1988年に発売したことが始まりです。以来、金コロイドやラテックス標識抗体を用いたフロースル―タイプやラテラルフロータイプの迅速診断試薬(POCT : Point of Care Testing) の開発及び製造に重点を置いた事業展開を行っています。
ニッポンジーンの迅速診断試薬には、試薬類をプラスチックのカセットに組み込んだフロースルータイプとストリップ状に貼り合わせたラテラルフロータイプがあります。これらは、いずれも標的物質を2種類の抗体でサンドイッチして検出する金コロイド免疫測定法を利用しています。
フロースルータイプは、操作法によって、大きく 3 つのタイプに分けられます。
3 ステップ法 | 検出液(金コロイド標識抗体)が別に添付されており、診断カセットに検体、検出液、洗浄液をそれぞれ順に添加し、検査します。 |
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2 ステップ法 | 1 テスト分ずつバイアルに凍結乾燥した検出液(金コロイド標識抗体)に検体を加えて溶解し、これを診断カセットに添加し、検査します。 |
1 ステップ法 | 全ての試薬が組み込まれた診断カセットに検体を直接添加し、検査します。 |
フロースルータイプの診断カセットは、判定紙を組み込んだ判定プレートを診断カセットから取り出すことが可能な構造になっています。従って、反応終了後、判定プレートを診断カセットから引き出して判定結果をそのまま保存できます。しかも、金コロイドの着色は消えることはないため、検査結果を比較したい場合などに役立ちます。
また、陽性像を円形のスポット以外に、様々な形で表すことができます。
基本的な反応原理はどの操作法も共通です。
ここでは、1 ステップ法を例に説明します。
ラテラルフロータイプでは、テストストリップを直接検体につけるか、または、ピペットやスポイトなどで採取した適量の検体を添加し、検査します。
ラテラルフロータイプの反応原理は、毛細管現象を利用したいわゆるクロマト法を利用したものです。
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