A : mRNAレベルで遺伝子の発現をノックアウトする手法は長年研究されてきましたが、既存のアンチセンスオリゴ(様々な化学修飾オリゴ)では、遺伝子の抑制が不十分であったり、非特異的であったりすることがしばしばありました。近年の研究で、短い二本鎖RNA(siRNA)によって、配列特異的なmRNAの分解が起こることが示されています。
A : in vitro転写で化学合成と同様にRNAi研究に適したRNA分子を合成することはできます。しかし、in vitro転写でsiRNAを作る場合、in vitro転写 、精製、定量等々の各段階において、高度な習熟を要します。合成siRNAの方が手間がかからず簡便です。
A : 3'末端にdTdT(またはUU)を付加したsiRNAが最も効率的であることが、いくつかの研究で示されています。siRNAの安定性の観点からdTdTの付加を推奨していますが、UUでも効果は変わりません。
A : 2〜4種類のsiRNAを設計すると良いでしょう。ただし、場合によっては、1つでも十分であったり、10程度設計して試さなければ十分に効果のある配列を見つけられなかったりすることもあります。
A : RNAiは大変効率の良い手法ですが、siRNAが機能しないこともありえます。そのような場合、下記の項目をチェックしてみて下さい。
- 標的遺伝子の抑制が観察されない場合、標的のmRNAが本当に分解されているのかどうか。トランスフェクションの2〜3日後に、total RNAを抽出し検査します。ノーザンブロットよりも迅速で感度の高いRT-PCRが適しています。
- 標的遺伝子の配列にエラーや多型があるかどうか。標的遺伝子と対を作る部分に1塩基のミスマッチがあるだけで、RNAiは生じなくなります。
- 細胞が標的mRNAを十分に発現しているかどうか。
- 可能であれば、2つの別個のsiRNAで標的遺伝子を抑制してみてください。
どのような研究でもコントロールの選び方は大事なポイントですが、RNAi研究では、特に対照実験が重要です。そのため、下記の対照実験を推奨しています。
- siRNAのセンス鎖とアンチセンス鎖のそれぞれの一本鎖
(ニッポンジーンsiRNAカスタム合成 Set 1を選択していただくことで、この対照実験を行えます)- スクランブルsiRNA
(標的遺伝子を抑制するためのsiRNAと塩基の構成比が等しく、使用する細胞または個体に相同な配列が存在しないRNA二量体。元のsiRNAの配列に4〜5のミスマッチを組み入れる、siRNAの中央の数塩基を他の場所にずらす、siRNAの配列を完全に逆転させる等、様々な方法で作成可能です)
A : トランスフェクションに適した細胞であれば、どのような細胞でもRNAi研究を行えます(最近の研究では、トランスフェクションに適さないとされているprimary cellでもRNAiを行えるとの報告もあります)。ただし、どのような細胞を使うとしても、予備実験を行い、使用するsiRNAの濃度や、siRNAとトランスフェクション試薬の比等を最適化して下さい。細胞は状態の良いものを使用してください。
A : mRNAレベルでは、通常80〜95%阻害されます。タンパク質レベルでは、標的となるタンパク質の寿命に依存します。
A : RNAは安定な二次構造を形成しやすい分子です。そのため、ニッポンジーンでは完全長でない産物を除去するために、PAGE精製をスタンダードとしています。
A : 合成siRNAは質量分析(MALDI-TOF)で品質をチェックしています。
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