Drop PCR Kit for Human Blood データ集


1. PCR反応液調製時の温度及び撹拌による影響

ヒト血液を試料として、PCR反応液調製時の温度及び血液添加後の撹拌による増幅効率への影響を、300, 500, 700 bpを増幅するプライマ−を用いて調べた。全ての操作を氷冷下で行った場合(A)、試薬のみ氷冷し、他の操作を室温で行った場合(B)、全ての操作を室温で行った場合(C)、全ての操作を氷冷下で行った後、撹拌した場合(D)について調べた。操作を氷冷下で行わなかった(B)、(C)、血液添加後に撹拌した(D)場合において増幅効率が低下することが確認された。

泳動写真1 : BCDはAよりもバンドが薄い
  • A : 全ての操作を氷冷下で行った場合
  • B : 試薬のみ氷冷し、他の操作は室温で行った場合
  • C : 全ての操作を室温で行った場合
  • D : 全ての操作を氷冷下で行った後、撹拌した場合
  • Lane 1 : 700 bp
  • Lane 2 : 500 bp
  • Lane 3 : 300 bp
M : Marker 5 (φX174/Hinc II digest)
PCR産物の1/5量 (10 µl)
3% Agarose 21

2. 抗凝固剤処理血の保存による影響

3種類の抗凝固剤(sodium citrate, EDTA, heparin)処理血を、室温・冷蔵(4°C)・冷凍(-20°C, -80°C)条件下で約2か月半保存し、添付のControl Primer(p53 Primer Exon 6 ; 275 bp)を用いてPCRを行った。この保存期間では、抗凝固剤の種類及び保存温度による増幅効率への影響はほとんどないことが確認された。

泳動写真2 : どれもシングルバンドが得られている
  • Lane 1 : 室温保存
  • Lane 2 : 4°C保存
  • Lane 3 : -20°C保存
  • Lane 4 : -80°C保存
M : Marker 5 (φX174/Hinc II digest)
PCR産物の1/5量 (10µl)
3% Agarose 21

3. 血痕試料からのMCT118型検査

ヒト血液をろ紙に滴下し、風乾後、室温で1日放置した。血痕となった部分をろ紙ごと切り取り、PCR反応液に入れ、MCT118座位*1)特異的プライマ−を用いてPCRを行った。全ての血痕試料においてMCT118座位の増幅が確認された。

泳動写真3 : 全てのレーンに増幅産物あり
  • Lane 1 : EDTA処理血 (0.5 µl)
  • Lane 2 : 実験者EDTA処理血*2) (0.5 µl)
  • Lane 3 : 血痕 (血液 0.1 µl)
  • Lane 4 : 血痕 (血液 0.25 µl)
  • Lane 5 : 血痕 (血液 0.5 µl)
  • Lane 6 : 血痕 (血液 1 µl)
  • Lane 7 : 血痕 (血液 2 µl)
  • Lane 8 : 血痕 (血液 3 µl)
  • M : Marker 5 (φX174/Hinc II digest)
    PCR産物の1/5量 (10µl)
    3% Agarose 21

    *1) MCT118座位は、第1染色体短腕部末端に位置する16塩基を繰り返し単位とするVNTR(variable number of tandem repeat)であり、個人によって繰り返し数が異なることを利用して、法医学資料からの個人識別等に用いられている。

    *2) 実験者の血液を用いてPCRを行い、コントロ−ルとした。ろ紙に付着した血痕以外のもの(例えば、実験者の血液や指紋等)から増幅したものではないことを示している。

    4. 本品を用いたPCRにおける増幅可能なサイズ

    ヒト血液を試料として、300, 500, 700, 900, 1100, 1300, 1500bpを増幅するプライマ−を用いてPCRを行い、増幅可能なDNA断片のサイズを確認した。本マニュアルの反応例に従った場合、900bpまでの増幅が確認された。さらに、Gene Taqを2.5unitsから5unitsに増やすことで1500bpまで増幅できることを確認した。同時にGene Taq NTを用いると2.5unitsでも1500bpまで増幅できることが確認されたが、増幅断片のサイズが900bp以下の場合は、Gene Taqの方が増幅が良好であった。

    泳動写真4 : Gene Taqは短いサンプルに太いバンド。NTはGene Taqで笛が良くない長いサンプルでも増幅できている 泳動写真5 : Gene Taqを増やすと、長いバンドも増えている
    • Lane 1 : 1,500 bp
    • Lane 2 : 1,300 bp
    • Lane 3 : 1,100 bp
    • Lane 4 : 900 bp
    • Lane 5 : 700 bp
    • Lane 6 : 500 bp
    • Lane 7 : 300 bp
    M : Marker 2 (λ/Hind III・EcoR I double digest)
    PCR産物の1/5量 (10µl)
    1.5% Agarose S

    5. 添加する血液量及びTaq DNA polymeraseによる影響

    3種類の抗凝固剤(sodium citrate, EDTA, heparin)処理血各0.25, 0.5, 1, 3, 5µlを用いた際の血液量及び使用するTaq DNA polymerase[Gene Taq(添付)またはGene Taq NT(別売)]の増幅効率に及ぼす影響を確認するため、添付のControl Primer(p53 Primer Exon 6 ; 275bp)を用いてPCRを行った。添加する血液量が多すぎるとPCRを阻害することが確認された。また、Gene Taq(添付)の方がGene Taq NT (別売)よりも増幅効率が高いことが確認された。

    泳動写真6 : バンドがハッキリしている 泳動写真7 : Gene Taqよりもバンドが薄め
    • Lane 1 : 0.25 µl
    • Lane 2 : 0.5 µl
    • Lane 3 : 1 µl
    • Lane 4 : 3 µl
    • Lane 5 : 5 µl
    M : Marker 5(φX174/Hinc II digest)
    PCR産物の1/5量 (10µl)
    3% Agarose 21

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