Cap Site cDNA®は、mRNAの5'末端のキャップ構造を合成オリゴリボヌクレオチド(rOligo)に置換後、ランダムプライマーを用いて逆転写して合成した第一鎖cDNAであるため、mRNA由来の5'末端配列を特異的に検出するようにデザインされている。従って、
Cap Site cDNA®を用いたCapSite® Huntingで使用するプライマーの位置関係を図3に示す。ここで、TGP-Senseは目的遺伝子のセンスプライマーで、これとTGP2との組み合わせで得られる増幅バンドがポジティブコントロールとなるので、同時に合成することを推奨する。
1RC Primer, 2RC Primer:
Cap Site cDNA®のrOligo相補的配列部分に特異的なにプライマーで、製品に添付されている。
TGP1, TGP2:
目的遺伝子特異的プライマー(target-gene specific primer)で、遺伝子のアンチセンス鎖である。実験前に準備が必要である。
TGP-Sense:
目的遺伝子特異的プライマー(target-gene specific primer)で、遺伝子のセンス鎖である。nested PCRのポジティブコントロールとなるので、合成し、実験系に入れることを推奨する。

図3 Cap Site cDNA®とCapSite® Huntingで使用するプライマーの位置関係
また、nested PCR後の理想的な電気泳動像は図4のようになる。

図4 nested PCR後の電気泳動像
目的遺伝子特異的プライマー(TGP)の設計条件は次の通りである。
・プライマー長 : 20〜22bp
・Tm : 62〜66°C
・3'末端塩基 : GあるいはC
また、合成するプライマーの本数は、目的遺伝子の情報が豊富な場合で少なくとも2本、情報が少ない場合は6本程度必要である。複数のプライマーをいろいろ組み合わせてnested PCRする。
本マニュアルでのPCRは、全て耐熱性酵素としてGene Taq NTを使用している。従って、これ以外の耐熱性酵素を使用する場合には条件、特に伸長反応時間を検討する必要がある。
伸長時間を必要以上に長くすると非特異的な増幅が観察される場合がある。ロングPCRを目的とした耐熱性酵素を使用する場合には、伸長時間を短くする必要があるかもしれない。PCRは通常以下の設定で行う。
| 95°C | 5 min. | |
| 95°C | 20 sec. | 35 Cycles |
| 60°C | 20 sec. | |
| 72°C | 20 sec. | |
| 72°C | 5 min. | |
| 95°C | 5 min. | |
| 95°C | 20 sec. | 25 Cycles |
| 60°C | 20 sec. | |
| 72°C | 20 sec. | |
| 72°C | 5 min. | |
| 94°C | 5 min. | |
| 94°C | 30 sec. | 1st PCR : 35 Cycles nested PCR : 25 Cycles |
| 55°C | 30 sec. | |
| 72°C | 45 sec. | |
| 72°C | 5 min. | |
反応を行う直前まで、反応溶液は氷上に置き、ミスアニーリングによるミスリーディングを極力抑える必要がある。サーマルサイクラーが95°Cに達したところで、反応チューブをセットして反応を開始する。特異性を高めるために、"hot start"法は非常に有効である。6)-8)
[参考文献]
6) D'Aquila, R. T., Bechtel, L. J., Videler, J. A., Eron, J. J., Gorczyca, P. and Kaplan, J. C. : Nucleic Acids Res., 19, 3749(1991)
7) 川上文清, 上村秀喜 : 細胞工学, 14(9),1076(1995)
8) Chou, Q., Russell, M., Birch, D. E., Raymond, J. and Bloch, W. : Nucleic Acids Res., 20(7), 1717-1723(1992)
[特長] [内容] [保存条件] [製品添付マニュアル] [CapSite cDNA®を用いた論文] [関連製品] [ラインナップ| Human|Mouse|Rat|Chicken|Rice|Arabidopsis] [Cap Site cDNA®作製の原理] [CapSite® Huntingの例] [Q&A]