Q1:反応時間は本当に5分間でいいのですか?Q2:ライゲーションに使用するDNAはどの溶液で調製すればよいですか?A1:はい。5分間の反応時間で十分なライゲーション効率が得られます。
Q3: 凍結融解による反応効率の低下はありませんか?A2:d.dH2OやTE buffer(pH8.0)で調製して下さい。
<注意> 高塩濃度のバッファーでDNA溶液を調製すると、ライゲーション効率が著しく低下場合がありますので避けて下さい。
Q4:反応終了液をそのまま形質転換に使用することができますか?A3:ありません。50回の凍結融解によっても反応効率の低下は認められておりません。
Q5:反応液をそのままin vitroパッケージングに使用することはできますか?A4:できます。
<注意> 形質転換に使用する反応液量はコンピテントセルの1/10量以下にして下さい。多量の反応液を使用した場合、形質転換効率が低下することがあります。
Q6:DNA末端がどのような形状でも反応時間は5分間でいいのですか?A5:できます。ニッポンジーンのin vitro Packaging Kit LAMBDA INN(317-01741)やGigapack(Stratagene社)を使用してもパッケージングを阻害しないことを確認しています。
<注意> パッケージングに用いる反応液の量はパッケージングExtractの1/10量以下にして下さい。多量の反応液を使用した場合、形質転換効率が低下することがあります。
Q7:反応時間を16時間やオーバーナイトにして使用することはできますか?A6:はい。粘着末端、平滑末端、TAクローニング、リンカーライゲーションのいずれにおいても反応時間は5分間で十分です。
Q8:ライゲーションに使用するベクター量はどのくらいを目安にしたらよいですか?A7:16時間やオーバーナイトで反応を行っても結果の大幅な改善は見られませんので、5-30分間の反応時間でご使用下さい。
<注意> オーバーナイトで反応を行うことによって形質転換効率が低下する場合があります。その場合はPCI処理を行うことで形質転換効率の低下を回避することができます。また、すぐに形質転換を行わない、または行えない場合はライゲーション反応液を-20°Cで保管して下さい。融解後はそのまま形質転換にご使用いただけます。
Q9:効率の良いライゲーションを行うにはどのようにしたらよいですか?A8:キットの標準条件である20µlスケールにおいて約0.3pmolをお奨めします。pUC19 DNA(2,686 bp)の場合には約50ngに相当します。使用するベクターDNAの大きさがpUC19 DNAと大幅に異なる場合も、約0.3pmolを目安にDNA溶液を調製するとよいでしょう。
Q10:形質転換後、残ったライゲーション反応液を保存することはできますか?A9:ベクターとインサートのモル比を最適化することが重要です。その最適条件はDNAの末端形状、インサートの長さ、ベクターの大きさによっても異なります。ニッポンジーンではpUC19 DNA、 pGEM®-T Easy(Promega社)をベクターとして使用した場合についてベクター:インサートモル比の検討を行っておりますので、ご参考下さい。
>>>Ligation-Convenience Kit参考資料「ベクター:インサートモル比の検討」
Q11:室温や25°Cでライゲーション反応を行っても問題ありませんか?A10:できます。その場合は-20°Cで保管して下さい。融解後そのまま形質転換を行っても形質転換効率は低下しません。すぐに形質転換を行えない場合にもこの方法で反応液を保存しておくことで、いつでも実験を再開することができます。
Q12:反応スケールを下げることは可能ですか?A11:正確なライゲーション反応を行うためにはお奨めしません。
<注意> 反応温度を上げることで不正確なライゲーションが起こる可能性があります。例えば、不正確なライゲーションによって制限酵素サイトが潰れてしまう現象があります。この場合、コロニーPCRではインサートの導入が確認できるものの、制限酵素による再切断ができません。よって、この場合は正確なライゲーションは行われておらず、本来目的とするライゲーション産物が得られていないことになります。T4 DNA Ligaseそのものの酵素反応至適温度は37°Cであり、反応温度を37°Cに近づけることはライゲーション反応の効率が上がることを期待できますが、同時に非特異的ライゲーション等が起こる可能性も上昇し、ライゲーション反応の正確性は低下する危険性があります。
Q13:ライゲーション反応後に熱処理によるLigaseの失活を行うことができますか?A12:可能です。ただし、その場合は使用するDNA量も少なくして反応系全体をスケールダウンして下さい。そうすることで高効率を保持したままでのスケールダウンが可能となり、以降の実験に都合の良いスケールでご使用いただくことができます。
<注意> DNA量を減らさずに2×Ligation Mixの使用量のみを減らした場合は、DNA量に対する試薬量が不足し、反応効率が低下する場合があります。また、極端なスケールダウンは、ピペット操作による誤差も大きくなり効率の良い条件を維持することが難しくなりますのでお奨めしません。
Q14:エタチンメイト(Ethachinmete)で調製したベクターやインサートでライゲーションを行っても問題はありませんか?A13:形質転換効率が著しく低下しますので反応終了液をそのまま熱処理することはできません。熱処理を行う場合は、ライゲーション反応終了液をddH2O(DNase free)で2倍希釈してから熱処理(70°C, 10分間)を行って下さい。
<注意> 熱処理後にライゲーション反応終了液を2倍希釈しても形質転換効率の低下は回避できませんのでご注意下さい。
Q15:ライゲーション反応終了液をエタノール沈殿で濃縮する際にエタチンメイトを使用しても問題はありませんか?A14:ライゲーション、形質転換ともに影響はありません。ライゲーション反応液をそのまま形質転換に使用して下さい。
<注意> エタチンメイト(Ethachinmete)の性質として、in vitroパッケージングの効率が若干下がることを確認しておりますのでご注意下さい。また、ライゲーション反応液中にエタチンメイトが存在する条件でそのままエタノール沈殿を行うと、形質転換効率が著しく低下する場合がありますのでご注意下さい。エタチンメイトを含んだライゲーション反応終了液をエタノール沈殿で濃縮する場合は、PCI処理後に行って下さい。その場合、ライゲーション反応液中に2µl以上のエタチンメイトが持ち込まれている場合には、PCI処理後に再度エタチンメイトを添加する必要はありません。
A15:ライゲーション反応終了液をPCI処理してからエタチンメイトを添加してエタノール沈殿を行って下さい。
<注意> PCI処理を行わずにエタチンメイトを添加してエタノール沈殿を行うと、形質転換効率が著しく低下する場合がありますのでご注意下さい。また、ベクターやインサートの調製時にエタチンメイトを使用し、予め反応系にエタチンメイトが持ち込まれている場合には必ずPCI処理を行ってからエタノール沈殿を行って下さい。その場合、ライゲーション反応液中に2µl以上のエタチンメイトが持ち込まれている場合には、PCI処理後に再度エタチンメイトを添加する必要はありません。