毛髪*1)
↓エタノールで洗浄する*2)
↓ハサミ等で4-5mmに刻む
↓←Extraction Buffer, 200 µl*3)
↓←Enzyme Solution, 5 µl
↓←Lysis Solution, 8 µl
↓混合*4)
↓インキュベート, 55°C, 20分*5)
↓←Enzyme Solution, 5 µl
↓混合*4)
↓インキュベート, 55°C, 5-10分*6)
↓←フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1), 200 µl
↓転倒混和*7)
↓遠心分離(11K×g, 室温, 15分)
水相
↓←3M Sodium Acetate (pH 5.2), 20 µl
↓←Ethachinmate, 2 µl*8)
↓混合*4)
↓←エタノール, 400 µl*9)
↓遠心分離(11K×g, 室温, 15分)
沈殿
↓70% エタノール洗浄
↓乾燥*10)
↓←TE (pH 8.0), 20 µl
DNA溶液*11)
なお、試料は新鮮なものの方が収量がよい。[使用例「脱毛後の時間経過とDNA量」参照]
*2)整髪剤がPCR反応を阻害することがある。毛髪に整髪剤や汚れ、ホコリ等が付着している場合には、エタノールを用いて以下の通り洗浄を行う。
[1] 1.5mlプラスチックチューブにエタノールを約1ml 注ぐ。
[2] [1] の中にピンセットを用いて切断する前の毛髪を入れる。
[3] [2] を数回転倒させる。
[4] ピンセットで毛髪を取り出し、ろ紙等の上に置き、エタノールをできるだけ除去する。なお、毛髪が清潔で、整髪剤等が付着していない場合には、エタノール洗浄を行わなくてもよい。マウスの体毛の場合には、エタノ−ル洗浄を行うことを勧める。爪にマニキュア等がついている場合には、除去してから使用する。
*3)Extraction Buffer中に白い結晶が現れることがあるが、品質には問題ない。このような場合には、50°C程度の湯浴中で結晶を完全に溶解した後、内容物が均一になるよう撹拌してから使用する。
また、Extraction Bufferにはタンパク質変性剤等が含まれているので、取り扱いに注意する。目に入ったり、皮膚に付着した場合には、直ちに多量の水で十分に洗い流す。以降、エタノール沈殿までの操作は、特記のない限り全て室温で行う。
*4)指でチューブを数回はじいて混合する。ボルテックス等の激しい操作は避ける。
*5)この操作により毛髪を溶解させる。反応温度は37°Cあるいは室温でも可能である。37°Cの場合、反応時間は55°Cの時の2〜3倍、室温では3〜5倍必要である。
*6)溶解途中で、毛髪は細かく切断された状態で沈殿する。この反応では、反応時間中2〜3分毎にチューブの底を指で軽くはじいて撹拌する。髪の質や量によって溶解時間が異なる。毛髪が完全に溶解されない場合には、ここで(*6)後)さらにEnzyme Solution 5µlを加え、55°Cで 5〜10分インキュベートすることにより、溶解が促進される。毛髪がどうしても溶け残ってしまう場合、完全溶解しなくてもDNAは溶出しているので、そのまま以後の操作を行う。なお、マウスの体毛の場合には、通常完全溶解しない。ヒト及びマウスの爪の場合には、見た目上ほとんど変化はおこらない(溶解していないように見える)が、実際にはDNAが溶出しているので、そのまま以後の操作を行う。

*7)穏やかに転倒混和する。ボルテックス等の激しい操作は避ける。
*8)エタノール沈殿の際、Ethachinmateを加えることにより、微量なDNAを効率よく回収することができ、-20°Cでの低温保存を省くことができる。
*9)収量が少ない場合、ここで-20°C、30分の低温保存を行うことにより、収量が上がることがある。
*10)5〜10分間の真空乾燥または風乾を行う。乾燥しすぎるとDNAが溶けにくくなることがある。
*11)毛根からDNAを抽出した場合、RNAが混入してくることがある。必要であれば、RNase処理を行いRNAを除去する。
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