バイオプシー等で得られた微量な試料の場合には、[プロトコール1-1 RNAの単離]を若干変えた方がうまくいく場合がある。
以下は、微量試料(ラット下垂体またはヒト肝針生検材料)を用いた場合の例である。RNaseのコンタミを防ぐとともに安全のために手袋を着用し、清潔な環境で操作を行う。なお、クロロホルム、イソプロパノール及びエタノールは別に準備しなければならない。また、チューブは透明なポリプロピレン製を用いるとよい。
sample*1)
(1-5mg tissue)
↓ add 0.8ml of ISOGEN
↓ homogenization or pipetting*2)
↓ store for 5min. at room temperature*3)
↓ add 0.2ml of chloroform*4)
↓ shake vigorously*5) for 30sec.
↓ store for 5min. at 4°C
↓ 12K×g for 15min. at 4°C*6)
↓→→→→interphase and organic phase*7)
↓(for subsequent isolation of DNA[protocol 2] and proteins[protocol 3] )
↓
aqueous phase*8)
↓ 12K×g for 15min. at 4°C*9)
aqueous phase*8)
↓ add 3µl of Ethachinmate*10)
↓ add 0.8 volume isopropanol
↓ store for 30min. 〜 over night at 4°C*11)
↓ 12K×g for 15min. at 4°C
precipitate*12)
↓ add 1ml of 75% ethanol
↓ vortex*13)
↓ 7.5K×g for 5min. at 4°C*14)
precipitate
↓ dry briefly*15)
↓ add ddH2O, TE(pH8.0) or 0.5% SDS
↓ dissolve
total RNA solution*16)
弊社では、ラット下垂体またはヒト肝針生検材料1-5mgを用いた場合のRNAの収量は、4-8µg/mg wet weightという結果が得られた。
(宮崎医科大学 医学部 内科学第三講座 片上秀喜先生よりご指導頂きました。)
*1)やわらかい組織(肝等)は微量の組織からでもRNAを取ることができる。
*2)1mlのガラス・テフロンホモジナイザーを用いるか、あるいはISOGENを含んだピペットチップ(1ml)で組織を吸引・噴出し、粉砕する。
*3)この状態で-70°Cで少なくとも1か月は保存できる。
*4)イソアミルアルコールの添加されたクロロホルムは使用できない。
*5)手で激しく振る。
*6)ホモジネートは、遠心分離により下層の有機相、中間層及び上層の水相にわかれる。RNAは水相に含まれるが、この水相にはDNAやタンパク質はほとんど含まれない。この時の水相の体積は加えたISOGENの体積の約60%である。もし60%より少ない場合には、この後の操作で添加するisopropanol量は分取した水相の体積に対して0.8倍容を添加する。30%以下の場合、組織量を減らすなどして、再度抽出し直すことを推奨する。
*7)ここで得られた中間相と有機相は、それぞれDNA及びタンパク質を単離するため、4°Cにて保存する。
*8)DNAやタンパク質との夾雑を少なくすることによりRNAの回収率を上げるため、中間相や有機相ができるだけ混入しないように、水相を新しいチューブに移して以下の操作を行う。
*9)上清回収の際、混入してくる有機相を分離するため再遠心することにより、水相部の回収率を上げることができる。
*10)水相にEthachinmateを加えることによりRNAの収率を上げ、さらにRNAの沈殿を目で確認することができる。
*11)-20°C以下では夾雑物が多くなるので4°Cが望ましい。この状態で、通常RNAの沈殿は見えない。
*12)RNAの沈殿は、ゲル様のペレットとしてチューブの内壁と底に付着する。
*13)この状態で4°Cで少なくとも1週間、-20°Cであれば1年間は保存することができる。
*14)もしRNAの沈殿がチューブの内壁から流れ出しそうな状態の場合は、エタノール洗浄後の遠心は12K×gにて行う。
*15)RNAの沈殿は、風乾または5-10分間真空乾燥する。真空遠心機を用いて乾燥してはいけない。沈殿を完全に乾燥してしまうと溶解性が著しく減少する。溶解性が減少したRNAのOD260/OD280は、1.6以下なので目安となる。得られたRNAは、滅菌蒸留水、TE(pH8.0)または0.5% SDSにピペットチップで吸出して溶解し、55-60°Cにて10-15分間保温すると良い。溶解する蒸留水、0.5% SDSは、あらかじめジエチルピロカーボネート(DEPC)処理によってRNaseフリーにしておくか、RNaseフリーグレードの市販品を用いること。また、TE(pH8.0)を使用する場合は、RNaseフリーグレードの市販品を用いること(TEに含まれるTris-HClは、DEPC処理にて分解してしまうため)。
*16)得られたRNAをアガロースゲル電気泳動すると、主に約2kbと5kbのリボソームRNAのバンドの他に0.1-0.3kbの低分子RNAと、7-15kbの高分子RNAを観察することができる。得られたRNAのOD260/OD280は、1.6-1.8である。
[Code No./容量] [特長] [保存条件] [使用上の注意] [参考文献] [製品添付マニュアル] [ISOGEN法の原理] [プロトコール, トラブルシューティング] [使用例]